声劇台本【踏切】

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#ラジオ #声劇 #いさBGMまだあるよ #台本 #声劇 #セリフ #声劇台本 #独り声劇 #nana #nana民 #nanamusic #声優 #声優志望 #私達の短編小説 ｰｰｰｰｰ 幼い頃、帰り道の途中にある線路を走る電車を眺めてから帰るのが日課だった。 夏の夕暮れ、じりじりと長引く暑さと気だるさが増す湿り気を受けながら歩く下校途中。 そこに電車が来るお知らせの音がけたたましく鳴り響き耳を刺激する。これを聞いてすぐさま線路まで一気に走った。 線路に着くと、滝のように溢れる汗をそのままに向こうを見つめる。陽炎を挟んで見える四角いフォルムとじんわりと照らすライトは、頭まで響かせる音さえも消してしまうほど魅力的に思えた。 だんだんと近づいて来るたびに高まるこの高揚感は、幼い頭では理解ができなかったが、ただただ心に響くものであれば楽しいとも嬉しいとも思えた。 電車は勢いよく目の前を過ぎ去り、残った風は時間差で髪や服を激しくなびかせた。 圧倒的な迫力は幼い心には刺激的で、その場で飛び跳ねたり、去った電車に、ばいばーい、なんて手を降ったり。 気分は最高潮だった。 いつまでも目を輝かせたまま、また陽炎の向こう側へと行ってしまった電車を見つめる。 横目で下ろした棒をゆっくりと上げるのが見えた。 満足げな顔で線路を渡り、いつも通りに帰路（きろ）へ戻る。 ああなんて楽しいんだろう。 なお、この行為は数十年たった今でも続けている。 ｰｰｰｰｰ 地響きのような重圧感のあるあの音と感覚は、決まった時間にしか生まれないもの。 電車は、好きですか？ 内容を酷く変えるようなアドリブでなければ、1人称などの変更可能です。