上弦の月 (ギター伴奏) 女性キー☆刹那バージョン
黒うさP feat.KAITO
上弦の月 (ギター伴奏) 女性キー☆刹那バージョン
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☕️路地裏珈琲用SS「酔いどれ狂騒曲」☕️
歌を普通に頑張ったので公開します……
⚠️圧倒的二次創作(肝試しの後日談的なアレです)
⚠️口調・呼称・描写等に解釈違いが含まれる場合がございます
⚠️台詞だらけだったり色々拙いのは許してください 久し振りに文字書いたので許してください…
⚠️イトウさんキキョウさん本当にごめんなさい
ある街の酒場で、和服を着た男が二人、酒を酌み交わしていた。
といっても、杯に手をつけるのは体格の良い快活そうな男の方で、相対する紺藍色の布で目元を隠した静かな男は、出された酒には一口も手を付けずに白身魚を器用につついている。
番頭と呼ばれた男がくいと酒を煽って話を続けた。
「で、そっちはどうやったん。店とお嬢の方は」
「店の方はまあ、それなりに。お嬢様は……想像に難くないでしょう。どちら様かの所為で」
「やんなぁ……、道理でいつもよりヤキがキツかった訳やわ。あれはほんま、ケツ割れるかと思った」
呆れたように息を吐いて水を流し込むキキョウ。その声色は見えぬ紺藍の奥の憂いを含んでいた。
「当然です。それに辻斬様方だけならまだしも、件の彼らも預かっていたのでしょう。お嬢様が間に合ったから良かったものの…」
「はぁ〜〜、たらればの話ししたところで不毛なだけやろ?それにそう言う割に自分ノリノリやったやん」
「…その話はやめて下さい。それに彼らも成仏されたなら願ったり叶ったりじゃないですか」
「あいつにとったら桃源郷をめちゃくちゃにされるわお焚き上げされるわで踏んだり蹴ったりやけどな。…これがホンマの死体蹴りってか」
「しょうもないこと言ってないで反省して下さい」
それ以上しつこいと帰りますよと言わんばかりに目を細め、その視線は氷柱の如く。目元を隠していてもわかる気迫にイトウはおお怖い、と肩をすくめる。
「わーかった、……より一層気ぃ張る。あの子らが安全にお仕事できるようにすんのも俺の役目やからな。酒入ったお前が暴走して辻斬ちゃんたち怪我させたらたまらんし?」
「………、…一言余計ですがお分かりなら結構です」
深くため息をついて、先ほどより大きくグラスを煽るキキョウ。
「………あ、それお前、」
水やなくて焼酎やけど。
イトウがそう忠告した時には、既にキキョウはグラス一杯を豪快に飲み干した後だった。
あーあ、またおもろいことなるでこれ。とイトウ。
「…け、」
「うん?」
「酒持ってこんか酒ェ!!店にあるの片っ端から持ってこいやァ…!!!!」
運悪く捕まってしまった店員はひ、と喉を鳴らし、大慌てで厨房に駆け込む。
店員を蒼くさせるほどのキキョウの酩酊状態も、酒が回りいつもより上機嫌のイトウにとっては極上の愉悦でしかなかった。
鬼のような形相で酒を催促するキキョウ、混乱した厨房から聞こえる怒号や泣き言、ぞろぞろと周りに集まる上機嫌の飲兵衛たち、中にはさらにキキョウに酒を煽らせるような者も居るのでタチが悪い。
そしてその混沌すらも呑み込み、ひいひいと目に涙を溜め笑い続けるイトウ。
「あ〜俺、酒入ったときのお前だけは、ほんまに好き〜〜〜〜!」
男達の宴は始まったばかりである。
Comment
4commnets
- さり
- 律香
- さり文章好きです……素敵…… 歌と相まって100倍になってる……👏👏💕
- 律香続編なに書きましょうか……珈琲のマスター陣行きます………?????