【二人声劇】太宰をなぞる【台本】

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この小さな町に、一人の教師が赴任してきた 珍しい時期とその甘いルックスに 女生徒はみんな先生のことを熱を帯びた視線で見つめた 「君、いつも一人で本を読んでるね 何を読んでるんだい？」 『…太宰です』 「いいね、僕も好きなんだよ 斜陽に人間失格、ヴィヨンの妻も捨て難いな」 『…先生は、なんで先生になったんですか？』 「君みたいな文学少女と話がしたくて、だよ」 『…なんか、やらしいですね』 先生は私が一人でいると必ず話しかけてきた そうして恋仲になるのも、時間はかからなかった 道ならぬ恋に身を投じている高揚感は 筆舌に尽くしがたいものがあった 「僕と死ぬ気で恋愛してみないか」 『え？』 「太宰の口説き文句だったらしいよ」 『…先生は私をからかうのが好きなんですね』 「からかってないとしたら？」 『太宰みたく帯で固く結ばれたまま 川に飛び込みたいですね』 「君も僕をからかってるじゃないか」 『本気だって言ったら？』 「君は富栄（とみえ）よりタチの悪い女だ」 『くすくす』 だけど、先生は自殺した 私ではない他の女生徒と川で遺体となって発見されたらしい 「誰より愛していました」 誰宛か分からない遺書が出てきたときいた 私は彼の弱さを思い、ほんの少しだけ、泣いた びすけっとさん、素敵なピアノをありがとうございました。 太宰が好きで、書きました。 よろしくお願いします。 ※富栄は太宰治の不倫相手でした。 先生の遺書、こちらです 『ある教師の遺書』 https://nana-music.com/sounds/055b8db0 ご使用の際には一言コメントいただけると幸いです。 #声劇 #台本 #2人声劇 #掛け合い #mitagraph #BGM #オリジナルBGM #ピアノ #Piano #静か #穏やか #儚い #BISオリジナル