後悔。
一人声劇(私)
後悔。
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後悔。
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親友のカナと、喧嘩をしてしまった。
理由は些細な事だったが、ふたりとも熱くなってしまい、いつも一緒に帰る道を私は先に。1人で歩いていた。
そんな時だった。カナの母から、電話でカナが交通事故で死んでしまった事を聞いたのは。
さっきまで、私と喧嘩をしていたカナが。
その知らせをカナの母から聞いて、私は絶望した。
体中の全ての力が抜け、目の前が真っ白になったのをはっきり覚えている。
もう何もかもどうでもよくなった。カナは、私にとって生きる希望そのものだった。
何も取り柄などない私に、誰よりも寄り添って、優しくくれたのが、手を差し伸べてくれたのが、カナだったから。
あの時私が喧嘩などしていなければ。私が早く謝っていれば。
募る(つのる)後悔が、私を苛んだ(さいなんだ)。
後日、カナの家を訪れた。カナの母から、見せたいものがある、と。
カナの部屋に通された私は、ひとつの手紙を取る。
それは、喧嘩したあの日、カナが私に渡そうとしていた手紙だったらしい。
その手紙を見て、私は思わず酷く慟哭(どうこく)した。どうして喧嘩なんかしたんだろう。カナは、こんなに、私のことを。
手紙の上の「ごめんね」と言う文字は、私の涙でぐしゃぐしゃになってしまった。
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