エレオノール
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エレオノール
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●エレオノール
「こんな静かな夜にはソネットを作って詠むのが一番よ。優しく降り注ぐ月の光と眠気を誘うように囁く波の音、それに乗せて韻を踏むの。…まあ、エティエンヌが呼んだのかしら。では、失礼するわ。良い夜を。」
「エティエンヌはとても危なっかしいわ。あなたもそう思うでしょ?あの子はがんばり屋さんで、一生懸命ひとになろうとするの。わたしがいなくなったら、あの子どうなってしまうのかしら…かわいそうなエティエンヌ、わたしが側に居てあげなければ。」
「朝には太陽が昇ってくるわ、陽気な光を帯びてわたしたちにこんにちはっと挨拶するの。しかし、それはいつまで続くものかしら。突然、パッと消えたりしないのかしら。目が覚めたら、そこは何も見えない暗闇の中。経験なんて信用できないわ…なんてね、少し感傷的になってしまったのかしらね。」
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