【声劇】勿忘草 【台本】

【先生】〇様×【弟子】●様　【台本】お猫【伴奏】いさ様

｢この花の名前を、君は知っているかい？｣ 唐突に庭に降りた先生が、庭先に咲く小さな青く可愛らしい花を見つけて言う。 僕は耳朶共(じだとも)に認める文学少年。その花の名前どころか、名の由来だって知っている。 ｢そうか、そうか。君はやはり物知りだねぇ。｣ 感心したように、嬉しそうに先生はうんうんと頷く。日に照らされた先生は透けるように白く、浮き出た鎖骨がくっきりと影を作り不気味である。 ｢先生、早く陰に入って下さい。お身体に障りますよ。｣ ｢日本人にはこの位直感的な花の名前が丁度いい｣ 腕が、また一層細くなったのではないか。ふと卓上(たくじょう)の原稿を見る。 ミミズが這ったような字だ。こんなの、とても読めない。 ｢直感的だからこそ、想いを素直に伝えやすい｣ たまらなくなり、先生の元へ駆け寄る。 抱きしめた肩が枯れ木のように軽く小さくて、咳き込む先生の顔が見られない。 ｢私のこと、君は忘れないで居てくれるかい？｣ 返事は嗚咽でかき消されてしまった。 －－－－－－－－－設定－－－－－－－－－－ 先生☞病弱な作家 弟子☞先生の作品に感銘を受け弟子入りした作家の卵 解釈はお好きなように♡ #BGM #いさBGMまだあるよ #台本 #声劇 #セリフ #ノスタルジック #セリフ #切ない #悲しい #nana民と繋がりたい #必ず聴きに行きます