【声劇台本】ガラクタ
声劇:(mako/)×台本:小山一家@@@
【声劇台本】ガラクタ
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素敵な台本をありがとうございました。
私はどうしてガラクタに生まれてしまったんだろう。
あの子みたいに。あの人みたいに。
完璧なものにどうしてなれなかったんだろう。
ガラクタの私が、恋をしてしまうなんて。
あぁ、本当に私は、ガラクタだ。
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「屑(クズ)」と書いてガラクタと読む。
「塵(ゴミ)」と書いてガラクタと読む。
「出来損ない」と書いてガラクタと読む。
そして「ガラクタ」と書いて“私”と読む。
私は何故ガラクタなのか。考えるのをやめた日がいつか、もう覚えていない。
生きていてごめんなさいと謝る毎日だったことしか分からない。
私の記憶の中にはいつも、ガラクタという文字しか無かった。
みんなが私を見てガラクタと言う。
ある人は残念そうに項垂れて。ある人は嘲笑いながら見下して。ある人は名前を呼ぶように優しそうに笑顔で……。
「ガラクタでごめんなさい」
「早く処分してください」
「全部バラバラに壊してください」
――そう、願っていた筈なのに。
オイルの臭いが充満する、夏の研究室。
そこへやってきた彼に、私は恋をしてしまった。
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【設定】
人型AIの私は、本当にただの失敗作でした。
研究者が何を間違えてしまったのかは分かりません。
それでも、失敗作となってしまった私は、いろんな人にガラクタと笑われる日々。
早く壊してくれれば済むものの、何故、研究者達は壊さないんでしょうね?
そんなある日、失敗作の私が過ごしている研究室に、見知らぬ研究者が来ました。私はその人に、恋をしてしまったのです……。
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