【声劇】『狐物語』
語り手:
【声劇】『狐物語』
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さて、僕の物語を語る前に、前置き――というには些か大袈裟ではあるが、話をしておきたいと思う。
狐。
怪異譚を語るには余りにも定番となっていて、そんな人からすれば今からの話は退屈で、窮屈なものかもしれない。しかし僕は語らなければならない。あの狐を。僕を化かした、あの怪異のことを。
僕が初めて出会ったソレは、女性だった。
顔色のあまり良くないその女性を放っておけるほど、僕は非道ではなかったし、賢くもなかった。
つまりこの話は、履いて捨てるほどある好奇心と、陳腐な道徳的観念とが僕の愚行を後押ししたというだけのことである。
そして僕は化かされた。いや、馬鹿にされた、と言ってもいい。
彼女は自らを玉藻前(たまものまえ)と名乗った。それから追われていると訴えた彼女に愚かな僕は――手を差し伸べた。
僕がこれから語る物語は、浅はかな僕と、彼女の話。
――先程も言ったが、この話は、履いて捨てるほどある好奇心と、陳腐な道徳的観念とが僕の愚行を後押ししたというだけの物語だ。
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これは、愚かな僕と、愚かな彼女の物語。
お久しぶりです。
続終物語も始まったことなので、〈物語〉風味で声劇というか朗読台本を書いてみました。
〈物語〉シリーズへの愛を語りだすと止まらないので、また別の機会にします。\(˙◁˙)/
一人称の変更、アレンジ、ご自由にしていただいて大丈夫です!
#コラボしてくださった方聴きに行きます
#声劇 #一人用 #朗読台本 #Bの台本 #台本
#フォロー返します
Comment
1commnets
- きょうじろう@Vすこ勢僭越ながら、読ませていただきました…!