無題【台本】
えり(うさぎ)
無題【台本】
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昨日も今日もまた、「家族」について考えてしまった。
「家族」ということば、今までの記憶を思い出すと、すごく寂しい気持ち、すごく苦しい気持ち、不安な気持ちがごっちゃになって、やっぱり泣いてしまった。
そして、先生という立場で、子どもの居場所に自分がなりたいという思いと、
自分にはそんなことできるような状態ではない、ということもごちゃごちゃしてる。
今日も言われた。
「今までよくずっと1人で頑張り続けてきたんだね……。」
それ、言われた瞬間、我慢できなくなっちゃった。
いつもそう。
その言葉言われると、我慢できなくなっちゃうんだ……
涙と一緒に、苦しかったこと、寂しかったことが思い出される。
でも、今日言われたこと。
「あなたにはあなたの良さがたくさんあるから、良さが生かせるといい。」
すごく嬉しかった。
それから、仕事のこと。
「先生には、いつからなりたかったの?」って聞かれるといつもこう答える。
「お母さんになれって言われてたからです。」
お母さんを幸せにしたいと思って、わたしは生きていたんだ。
小学校でも、テストで100点取れば、表彰されれば、お母さんが周りから、先生からも褒められる。
中学校でも、1位になれば、450点以上とれば、95点以上取れば、お母さんが周りから、先生から褒められる。
高校も、お母さんが決めた通りに。
私がいたら雰囲気が悪くなるから、私は存在を消した。
みんなが起きる前に家を出て、帰ってくる前に寝た。
みんながお出かけの日はお留守番か、図書館で1日勉強する。
「なんで、えりは連れて行ってくれないの?」
えりが居たら、雰囲気が悪くなるから。えりのためだとお母さんには、言われた。
そんなに私が邪魔なら、いなくなってやる。
高校を出て、家を出て、1人で生きてみて思った。
私には、意志がない。
28歳になってもまだ、大人になれない。
家を出て10年。
愛教大の寮に、荷物と共に置き去りにされて10年。
あの時も、あの時も、あの時も……寂しさは忘れない。
「家族」を知りたいです。
「家族」って何ですか?「愛」って何ですか?
不安になった今日、思ったのは。
「のぶの声が聴きたい。」
もしかしたら、「愛」の答えに近づいてるのかもしれない。
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