月のワルツ
ユーリヤ・E・プラニエータ(CV.さとば)
月のワルツ
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<外>
先程の光景を思い出して身震いしつつ廊下を歩く。
通りがかった窓から、星が、見えて。
何故だか強く惹かれ、外へ。
少し冷えるが星空がとても綺麗で。
見惚れながら歩いていると、
「あら、こんばんは。」
ユーリヤさんだ。
授業は終わったのだろうか。そう考えているとつい返事をし忘れていて。そんな様子に何を思ったのか、ユーリヤさんが、手を取る。
「貴方も星を見に来たの?こんなに綺麗だものね。…もっと綺麗に見える場所があるの。特別に、教えてあげる。」
手を引かれ辿り着いたその場所。見上げた瞬間、思わず息を飲む。
─なんて綺麗なんだろう!こんな場所があったなんて…!
ユーリヤ・E・プラニエータ(CV.さとば)
──────────
「さぁ、Давайте потанцуем?(踊りましょう?)」
こんなに月が蒼い夜は
不思議なことが起きるよ
どこか深い森の中で さまようわたし
タキシード姿の うさぎが来て
ワインはいかが?と テーブルへ
真っ赤なキノコの 傘の下で
踊りが 始まる
貴方は何処にいるの? 時間の国の迷子
帰り道が 解らないの
待って 待っているのに
眠れぬこの魂は 貴方を探し森の中
「月の宮殿」の王子さまが
跪いて ワルツに誘う
「Ты забавный!(貴方、面白いわね.)」
──────────
「ふふ、」
どれくらい時間が経ったのだろう。小さな笑い声にはっとする。それほどに夢中だった。
「ずっと見ていたい気持ちはわかるけれど…、随分体が冷えて来たでしょう?そろそろ戻りましょうか。」
…言われてみれば、来た時より確かに寒い。
再び手を引かれ、今度は城の中へ。
「先に談話室で待っていてくれるかしら?」
ユーリヤさんはどこへ行くのだろう?そう思いつつも言われた通りに談話室へ繋がる螺旋階段を登る。先程教えて貰った言葉を忘れないように頭で何度も繰り返しながら。
〝──。きっと鷲…、扉のノッカーにこう聞かれるでしょうから…、──。こう、答えれば良いわ。レイブンクローの談話室に入るには謎解きが必要なの。面白いでしょう?〟
《ユーリヤ・E・プラニエータ(CV.さとば)》
レイブンクロー寮監督生 5年生 女 ロシア人
私ね。何を紹介すればいいかしら?
そうね…、特に好きな教科は天文学、呪文学、魔法薬学。どれもとても興味深いわ。苦手なこと…、何故か箒とだけは仲良くできないの。おかしいわね。
ペットはカエルのネリー。昔からずっと一緒なの。
あとは…、星を見るのが好きなの。レイブンクローの談話室は、どの寮よりも星が綺麗に見えるのよ。
でも…同じ寮、学年、部屋の、エリーシュカ…、エリオットの箒に乗せてもらって一緒に見る星空が特に好きなのは、ここだけの秘密よ。
#寮対抗歌合戦
*レイブンクロー談話室の扉には、鷲の形をしたブロンズのノッカーがついている。
ノックするとノッカーの鷲の嘴が開き、レイブンクロー生の知性を問うような難問とも言える質問がなされる。解くことができなければ、解ける者が来るまで入室出来ない。
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