【朗読台本】水彩ノスタルジア
読み手:蒼原そら/台本:晴歩/BGM:四ノ宮りゐ
【朗読台本】水彩ノスタルジア
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読ませていただきました!
感情が伝わるといいな…
空白に線と色を重ねていくこと
それが私の生きがいだ
海沿いに連なる工場地帯
大きく天に延びる(のびる)煙突は
街のどの一角を切り取っても顕在(けんざい)している
そこから頻り(しきり)に吐き出されるガスはこの街を変造(へんぞう)した
群青の空を奪い
澄んでいた空気を蝕んで(むしばんで)
街から人の気配を消した
妖精が住む水の都
水路が張り巡らされ
アンティークな建物が並ぶこの街は
かつてはそう呼ばれていた
今日も独り
キャンバスに絵筆を走らせる
「何を描いてるの?」
小さな影が私に尋ねる
「ここから見える景色を描いているんだ」
私の答えにその影は首を傾げた(かしげた)
「んーあなたの描いている絵はここから見える景色とは違うと思うけど。」
私は手元のキャンバスに目を落とす
真っ白な空間に映し出されていたのは
活気溢れるかつての郷土(きょうど)だった
「あぁ…何故なんだ。
何故私が好きだと思った景色は…
時間と共に無くなっていってしまうんだ…?」
滲んでいくキャンバスの街
影は何も答えてくれなかった
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一人称変更✕
アドリブ、台詞変更○
今回は一人称が「私」となっていますが女性の方でも男性の方でもどちらの方が読むにあたっても一人称は「私」として欲しいです。
※コラボする際はお手数ですが拍手と「借ります」と一言コメントをよろしくお願いします
こんにちは、晴歩です
ここまで読んでいただきありがとうございます。
この台本はかなり文字数が多くて実際に自分でも読んでみたのですが時間ギリギリで尺取りが難しいと思います。
書きたいことが多すぎて文字数が膨れ上がってしまいました。
申し訳ないです。
ここではこの台本について少しだけ綴ろうと思います。
ノスタルジアとは異郷にて故郷を懐かしむ気持ちのことを指します。ヨーロッパなどの音楽でふるさとを想う歌をノスタルジーな曲と言ったりしますよね。また、過ぎ去った時代を懐かしむ気持ちという意味もあるそうです。今回はどちらかといえば後者の意味合いを込めてこの台本を書きました。止まることのない時代の中で古いものはどんどん新しくなっていき、便利になっていきます。携帯電話などがいい例ですよね。そうやって便利になっていくものもあれば経済発展を目指し、工場や家を建てるために森が切り倒されていくなどの破壊も行われています。
時代の流れとともに街の景色というのは良くも悪くも変わっていきます。その変化にどちらを思うかは人それぞれです。
今回の台本では時代の変化に悲しむ人の感情を書きました。
綺麗だった頃のこの街をしっている絵描きは何歳なのか
影は大人なのか子供なのか
水彩というのはただ単に画法のことを指しているのか
いろんな解釈をして読んで頂けたら幸いです。
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