【声劇台本】あの夏が飽和する。1話
貴方のお名前
【声劇台本】あの夏が飽和する。1話
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「昨日…人を、アイツを、殺したの。」
玄関の戸を開けると、夏が始まったばかりだと言うのにガクガクと震える君がいた。
「ずっと虐められて…嫌になって…肩を突き飛ばしたの…そしたら…」
打ちどころが悪かったのだろう、
気づけば息をしていなかったという。
もうここには居られない。
どこか遠い場所で死んでくる。
そう言う君に、僕は言った。
それじゃ、僕も連れてって。
勝手に口が動いていた。
財布と、ナイフ、携帯ゲーム。
必要なものだけ鞄に詰めて。
クラスの奴らも、家族も、何もかも全部捨てて、遠い場所で2人で死のう。
この世界に価値などないし、
人殺しもそこら中に湧いてるじゃんか。
君は何も悪くないよ。
そして僕らは逃げ出した。
人殺しと、ダメ人間の、君と僕の旅だ。
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