【声劇】しがない私の独り言【駆け足台本】

伴奏:ぴぴお様 書き手:ALEN💐 読み手:くねや

#休日 #休息 #アレ本 #声劇 #声劇台本 #台本 #独り言 #1人声劇 この静謐(せいひつ)な部屋の中には 時計の針がたてる乱れのない音と 膨大な数の書物から選んだ 本の先を辿る音だけが響いている。 内容を理解すべく想像に耽(ふけ)ているその端には なんとも非現実的な物語とは真逆の とても現実的な心の声が聞こえてくる。 そんなリアルと空想の狭間を行き来しながらも 何に急かされる訳でもない時間に喜びを感じていた。 例え、外の世界が蒼穹(そうきゅう)だとして 青々しい木々が風に吹かれ煌めいていても こんな風に満足いくまで篭っていたい日もあるわけで。 できるだけ自分を癒す有意義な1日にする為に 普段は価値の高さから手に取ることを諦めていた 上等な茶葉を使ったお茶を淹れ ほんのり淡くピンク色に染まった和菓子を味わってみたり 声を整える為に本の内容を朗読し 上手い発声や演じ方の練習をしてみたり、 様々な事をしてそれからまた、 柔らかな布団の上に横たわり読み耽(ふけ)る。 時折、 無意識に出る欠伸(あくび)と 重力に逆らえず、こめかみに流れる涙。 ふと気がつけば、 作り上げられた世界を綴るその文字が、 次第に揺らぎ霞んでいく。 瞬きから、その一瞬で現れる暗闇に抗ってみるも、 意識を奪われる回数は増えていき、 いつの間にか至福の睡眠に誘われていた。 こうして私の休日は終わり、 東雲(しののめ)の空と共に始まる忙しない日々を駆け抜けるのだ。 「さて、行ってきます」 しがない私の独り言に付き合ってくれてありがとう。 あれんちゃん、ごめんよ。これがくね美の唇の限界さ。 声劇難しいよぉ。