追放者兄貴の話
「その時、兄が握っていたのはライターだった」
「あの時、僕が貰ったのは生活保護費だった」
「その時は、父さんも母さんも許せるようなきがした」
「あの時は、ただ幸せになりたかったんだ」
「僕は帰ってきてこう言った」
「兄は帰ってきてこう言った」
「晩御飯何がいい?」
「なんでだよ」
「どうしてお前だけ幸せになるの」
「あーあ。実を言うとめんどくさいんだよ。
金を稼ぐのも真面目に生きるのもお兄ちゃんも全部やめたい
何をしたって苦痛なんだよ
だから僕は火を放つんだ」
ははは!!見ろよこれ!!
大嫌いなお前との最低な思い出が全部
燃えてくんだ!!!
傑作だ!!
僕が燃やしたんだ僕が燃やしたんだ僕が燃やしたんだぞ!!!
祝福しなよ、晴れて僕は
あの男のクソみたいな血を引く正真正銘の
子供だよ!!ああークソだな!!
ああ、追放だ
そうだ僕は追放者だ
くそ、くそ、違うんだ
ただ、幸せに、なりたかっただけなのに
_______________―――、朝よ。
#八月某月明かり
#ヨルシカ
#バンド伴奏
#今夜晩餐は学校で
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