【二人声劇】硝子越しの母さん【台本】

「」×『』

『元気にしてた？ちゃんと食べてるの？』 「うん、まあ、ぼちぼち」 『そう…ならいいのよ 施設の人にはよくしてもらってる？』 「うん、大丈夫」 『よかったわ…ね、もっと近くに来て、顔をよく…』 「ねえ」 『ん？なあに？』 「どうしてアンタは、人を殺したの」 『っ…』 「どうして俺は後ろ指さされなきゃいけないの いじめられなきゃいけないの 犯罪者は死ねって、落書きされなきゃいけないの」 『…あなた、そんなこと…』 「いいよねアンタは オトコ殺してひとりだけ楽になって、刑務所に入って 周りの目なんて気にしないでさ」 「おかげで俺の人生お先真っ暗 これからの就職も親は他界したってことにしようって 施設の人は言ってた」 「…なあ、アンタ、なんで俺を産んだの」 『ごめん…… ごめん、ね……』 ずっと言いたかったことが言えてスッキリしたはずなのに うずくまって泣く硝子越しの女を見てやるせない気持ちになるのは、 どうしてなのだろう 『愛してる…愛してるわ…』 『信じてもらえないかもしれないけど あなたを心から、愛してる』 顔をくしゃくしゃにして泣く「母さん」は もうとっくに俺より小さくなっていた ニョゼさまの素敵な音色お借りしました。ありがとうございます。 どこに需要があるのか分からないけれど、こんな家族もいるんじゃないかなと思って書きました。 目にとまれば嬉しいです。 ご使用の際は一言コメントいただけると幸いです。 #声劇 #台本 #2人声劇 #掛け合い #mitagraph #ピアにょん #ニョゼのクリエイティ部