【台本】さあ、武器を持て。

お名前をどうぞ（台本:けい）

本当はさみしがり屋だった悪役。結局戦っちゃう。 雪の妖怪みたいな悪役と雪の中で対峙しているイメージ。にしたかったのですが雪要素薄過ぎた。 一人称・語尾など変更して頂いても大丈夫です。 #台本 #一人声劇 #コラボ #朗読 #朗読台本 #台詞 #孤独 #悪役 #対峙 #決闘前 【台本】 ただ眺めていただけで、触れようともしなかった。触れてはいけないと、思っていた。 求めることは恥ずべきだ。ずっとそう言い聞かせてきた。けれど本当は、心の中では渇望していた。 過ぎ去っていく時間の中で、変わり映えのない孤独な日々を守る為、自分の気持ちを幾度となく殺した。 私が取りこぼしたものは、瞬く間に消えていくもの。この雪のように。 ……そしてやはり思い知った。 私は人間とは相容れない存在だと。誇り高き妖の血を受け継ぐ私は、貴様ら下賎な者共とは関わりを持ってはならない。住む世界が違うのだ。 友情だとか、愛情だとか、夢だとか……例え消えずとも、足元に降り積もったそれらを掬い上げたとして、一度でも人の心に触れてしまえば、私は私ではなくなってしまう。 凍てついた心に温もりを求めようとした私が、愚かだったのだ。 ……もう終わりにしよう。 互いの使命を全うしようじゃないか。 さあ、武器を持て。