廓に降る雪は積もらず
遊女【短歌】、旦那【短歌】、語り部【短歌】
廓に降る雪は積もらず
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#和風 #声劇 #花魁 #時代劇
三人用、二人用ですが一人で録ってみました(しかも一気に)
声分けは出来てません((
愛しているぞ(自分に)→わっちも(自分に)
【語り部】
時(とき)は元禄(げんろく)、華の都(はなのみやこ)の吉原(よしわら)にも冬はくるが、
遊女(ゆうじょ)の打掛(うちかけ)鮮やかで、華(はな)は散らねェってもんだ
今日も今日とてトンチキ騒ぎの大盤振る舞い(おおばんぶるまい)
遊女の涙は誠(まこと)か嘘(うそ)か、
たったひとつの契り(ちぎり)を信じ、
操(みさお)立てたが袖(そで)にされちゃあ、
浮かばれ(うかばれ)ねェなぁ
○
「サァサぬしさま、そんなつれないお顔はよして、
ほれ、一献(いっこん)、お飲みなんし」
●
「・・・」
○
「・・・ぬしを袖(そで)にしたのも、ソレ気を引きたくてやったことにありんす」
●
「どうだかなァ、皆(みな)に同じこと言ってんだろぉよ」
○
「わっちには、ぬしさまだけ、
頼みの綱(たのみのつな)は、ぬしさまだけにありんす」
●
「ほォ、可愛げのあることを言う
さすれば誓い(ちかい)を立てようぞ」
○
「誓い、にありんすか?」
●
「そうともサ
おまえが他のたなと寝ようとも、心ン中(こころんなか)じゃ、四六時中(しろくじちゅう)、俺を想うってな」
○
「そんなこと・・・今も同じにおざりんす
会えない間は、いつ来るかとばかり、会って仕舞えば(しまえば)、ぬしさまのことばかり、帰って仕舞えば、地獄のよう・・・」
●
「すゑ松・・・、愛しているよ」
○
「ぬしさま・・・わっちも・・・」
【語り部】
手に手を取って語らう戯言(ざれごと)は
遊女の手練手管(てれんてくだ)か、
吉原じゃ、粉雪(こなゆき)みたいなもんだ
止め処なく(とめどなく)
降った(振った)ところで
積もらない(詰まらない)
これにて失敬(しっけい)
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