【二人声劇】舞台【台本】

「」×『』 Music is 魔王魂

「…これを読んでください」 『台本？』 「僕が全演出を手掛ける舞台です 主人公は落ちぶれた女優 酒をあおりながら 過去のビデオを見返し栄光にすがりつく まさに今のあなただ」 『あてがきしたって言いたいの？ まさかとは思うけど、この舞台』 「主役のオーディションに出てほしいです」 『無茶言わないで、もう何年芝居してないと思って 話はそれだけ？なら帰って』 「…昔のあなたは最高だった もう一度あの頃のあなたの…」 『あなたが欲しいのは過去のわたしでしょう？ 今のわたしじゃない』 「違う！僕は、今のあなたのために！！」 『「夢が、あった！ 希望も、叶えるだけの実力も、機会も、そこにあった！ あった…はずなのに…」』 「（僕の台本…！まさかこの一瞬で…！）」 『わたしだってそう… 生きる道は舞台の上だと思ってた でも気づいたの…』 『あそこは地獄よ ハリボテと偽物に満ちた、腐臭漂う地獄 あそこにいるのは全員罪を犯した亡者 それらが踊り狂うのを観て楽しむのが観客よ』 「違う、あそこは夢と希望を届ける場所だ！ ハリボテも偽物も本物に、 そして感動と興奮を生み出す場所です…！」 『フ、あなたみたいな若い演出家には わからないわ』 「諦めたりしない 必ず、あなたを舞台に立たせてみせます」 『…じゃあ、教えてあげるわ 舞台の上がいかに恐ろしい場所かを、ね』 駆け出しの演出家と落ちぶれた女優の、舞台への執着でした。 演出家は舞台を素晴らしいものとして、女優は舞台を汚らしいものとして捉えてます。 女優を俳優に変えていただいても構いません。 お好きなようにお読みください。 毎度のことながらものすごくテンポよく読まないとおさまりません！ よろしくお願いします。 使用する際はひと言コメントいただけると幸いです。 #声劇 #台本 #2人声劇 #掛け合い #mitagraph