声劇台本【泡沫の狐】
朗読者様︰〇〇
声劇台本【泡沫の狐】
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はるか昔、触れたもの見たもの全てを蝕んだ巨大な力を持った妖狐がおったそうな。
その妖狐は、ある日一人の人間に恋をした。
その人間が妖を殺すものと知らずに……
そしてまた、妖を殺すものも1匹の妖狐に恋をしてしまった。
互いに愛し合った二人の結末は……
『台詞』
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夢も希望も、絶望も後悔も
そんなもの私にはないの
そうか……
ただこの世界は
少し眩しすぎるかしら
眩しい…?
そう。命の営みも、あなたの優しさも全部私にはもったいないわ
そんなこと……!
大丈夫よ。私は、もう一人じゃないもの
貴方がいてくれる。そうでしょ?
ッ!…あぁ!
ふふふ。だから、殺して。
私を殺して、世界を救って?英雄さん。
そうしたら、少しは私を思い出してね?
忘れるものかッ!
そんな怒らないの!もう!
最後くらい貴方の笑顔が見たいんだから!
すまんッ……本当にッすまない……
だから笑ってって言ってるでしょ!
ほんとに堅物なんだから!
すまない……お前を誰よりも、誰よりも愛している……
バカねぇ……私もよ……
さようなら、私の英雄……
ぐっ!あぁあ!!
(剣を振りかぶる)
(剣士は妖狐の亡骸を抱きながら、泣き叫ぶ)あぁ、ああああああああああああああああああああああああああ!!
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目の前の全てが許せなくて
いつも一人ずっと願ってる
どうか私を殺してください
触れられない
近づけない
一人ぼっち
それならいっそ、私ごとすべて
消し去ってしまいたい
そう願ってはいけませんか?
そんなことを考えながら
私は泣くの
どこまでも青い空が
私には綺麗すぎるから
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