声劇「死刑裁判」

台本 るん太

僕は死ぬのでしょうか。 …はい、たくさん人を殺しました。 何人かな…多分…50人くらい…。 ええ、全部ナイフで滅多刺しです。 僕は死ぬんですか？ 目的？…特に無いです。 ただ、殺したくなったから殺した。 それだけですよ。 それ以外に何があるって言うんです？ で、僕は死ぬんですかね？ 別に、他人がどうなろうと知ったこっちゃないです。 僕には親族も友達も、もちろん恋人だっていないですし。 ええ、天涯孤独ですよ。 仕事？とっくに辞めましたよ。 ねぇ、どうせ死刑なんでしょ？ こんなことをしても意味ないじゃないですか。 時間の無駄だと思いません？ 別に、自分の命なんてどうでもいいです。 気付いちゃったんですよ。 どうせいつか死ぬんだから、生きることに意味なんかないって。 そしたら全てがどうでもよくなっちゃって。 僕は死ぬんでしょ？ さっさとこんな裁判なんか終わらせましょうよ。 立ってるの疲れました。 久しぶりにたくさん話したから喉も痛くなってきたし。 ほら、早く死刑判決を。