【声劇台本】『時計の針は憂鬱に』
演者:「」 台本:iyumu(いゆむ)
【声劇台本】『時計の針は憂鬱に』
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『貴方に時を告げましょう』
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(0:05~)
チクタクチクタク
今日も今日とて告げましょう
貴方に時を告げましょう
チクタクチクタク
私はしがない古時計
誰もが忘れた古時計
チクタクチクタク
今日も今日とて片隅で
貴方の営み見守ります
貴方の歩み見届けます
チクタクチクタク
私はただの古時計
貴方の為の古時計
チクタクチクタク
今日も今日とて告げましょう
貴方に時を告げましょう
チクタクチクタク
うら若き乙女の姿
今は無き乙女の姿
チクタクチクタク
軋む躯に 錆びた針
それでも流れる"時"は違う
チクタクチクタク
「もうお別れね」
貴方は伝える 私に伝える
チクタクチクタク
鳴り響く鐘の音
私は告げる 貴方に告げる
チクタクチクタク
今日も今日とて片隅で
私は時を告げましょう
誰かに時を告げましょう
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古時計と貴方の話
古時計は部屋の片隅にいる。
部屋は事務所か雑貨屋、古本屋みたいなイメージで時折誰かしらが来る場所。
最初はふらりと立ち寄るけど二度目は訪れることがないような不思議な空間。
それでも足繁く通う貴方。
ずっとずっと見守っていたけれど古時計が歩む時と貴方が歩む時の流れは違う。
老いていく貴方。軋む私(古時計)の躯。
時は告げるが言葉は伝えられない。
傍に寄り添いたいけど片隅から動くことは出来ない。
所詮は古時計。
貴方がいなくなった今でも私は自分の歩みを止められない。
伝えたい誰か(貴方)も、聞いている誰か(貴方)もいないくせに、私は今でも時を告げる。
*前回の投稿は時間の割に文字数多めだったので今回は軽めにしました!多分ラスト5秒くらい余す感じになると思います。
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