独白 弾き語り
amazarashi
独白 弾き語り
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身を投げた漆黒の太陽が遺言のごとく焼き付けたひと夏の影絵は
トイレの汚物入れの中で真っ赤に滲んで泣きじゃくるばかりです
殴られたあざはすぐ消えてしまった いっそ消えずに一生残ればよかった
誰かを憎む理由をこの体に誇示して 全てを切り裂く免罪符となれ
物心ついた私はグズで気狂いで あなたがそう呼ぶからそれにふさわしい人間になった
どこにでもいる真面目な子でした まさかあの子が
世間様の暇つぶしに辱められた自尊が
良からぬ企みを身ごもるのも必然で
言葉を殺した あれが死に損ないの言葉ゾンビ
言葉を殺したという言葉だけが残った
途方にくれた十五歳の夏
流れていった涙や後悔の時間に
今更しがみつくほどの未練は持ち合わせず
過去の痛みが全て報われたわけじゃない
私の痛みは君の失望にこそ芽吹く
この物語はフィクションであり
実在する事件、団体、人物との
いかなる類似も必然の一致だ
だが現実の方がよっぽど無慈悲だ
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