この体温を。

康太「ぎっとん」凛「」

コウタ君お邪魔しました 凛(りん) 康太(こうた) _____________ 凛:「ねえ康太くん。死んだら何になると思う？」 康太:「…なんだよ急に。」 凛:「なんか急に気になって。」 康太:「ふーん。…凛は？何になると思う？」 凛:「蛍、かな。」 康太:「蛍？」 凛:「うん。蛍の光って、なんか魂っぽい気がする。」 康太:そう答える彼女が、今にも消えてしまいそうで。 康太:「変なこと考えんのやめようぜ。」 凛:「そうだね、ごめん。」 康太:余命半年を告げられた彼女は、きっとこの夏にいなくなってしまうんだろう。 00:53 凛:「あのさ。」 康太:「何。」 凛:「私が死んでも、康太くんは私を覚えててくれる？」 康太:「なんっ、…だよ、急に。縁起でもねえこと言うんじゃねえよ。」 凛:「そう、だよね……ごめん、忘れて。」 康太:「………忘れねえよ。」 凛:「え？」 康太:「ちゃんと覚えてる。だからそんな訳わかんねえこと言ってんな。」 凛:「っ、うん、ありがとう…。」 0029 康太:言葉１つで嬉しそうに笑うその顔に、夏なんか来なきゃいいのにって。 凛:「ほんとはね？ずっと康太くんと、笑ってたかったのになあ…って。」 康太:なんて声をかけていいか分からない。 抱きしめることしかできない自分が情けない。 凛:「私のこと、忘れちゃダメだからね？」 康太:「忘れない、絶対忘れねえから！」 康太:俺は俺が終わるその日まで、この体温を忘れたくない。 #Atsu_arrange #夜明けと蛍 #c1の台本 #声劇台本 #二人用声劇