アスター時間店
アスター【すー】
アスター時間店
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「死者には現在を三日、生者には過去を一分売ってあげる」
素敵な台本を読ませていただきました!
【あらすじ】
真っ白な店内に唯一欠かさずに存在するのは、机の上にポツン、と置かれた紫苑の紫だけ。
その”店“は時間を売る。死者には現在を三日、生者には過去を一分。
夏に約束を置いてきた青年や、音だけになってしまった少女、片割れを失った少年。そんな彼らも、この店を偶然訪れ、悩んだ末に時間を買っていった。
どこかに存在するらしい店の名前は『アスター時間店』。
店主は今日も、時間を売りに行く。
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時間というものはどうにも残酷で、いくら止まれ、戻れと願ったところで聞いてくれやしない。そういうものだ。
残念ながら始まりがあれば終わりがあるように、人の一生、いや、生き物の生において、唯一平等と言えるものは『生と死』だとボクは考える。
生まれれば死にゆくのが当たり前。自然の摂理。時間が止まることは決して無い。
それでも別れというのは大抵の場合突然で、伝えきれなかった思い、言葉、叶えられなかった約束をそのままにしなければならないのは、あまりにも悲しいと思わないかい?
ボクは、それが少し勿体ないと思ってね。
だからボクは伝える時間を与えることにした。死者には現在を三日、生者には過去を一分、時間をあげる。
素敵だろう? 勿論、お代はもらうけどね。あはは、対価無しに何かをもらおうなんて、甘いよ。
えー? 不平等だって? 当り前じゃないか、この世界に置いて平等なのは生と死だけだっていったろう。
あ。店の名前? そうだな『アスター時間店』かな。
それじゃ、ボクもそろそろ仕事に行かなきゃ。
またのご来店、待ってるよ。
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アスター:年齢不詳/性別不明
見る者によって性別、年齢、容姿すべてが違って見える。ただ一貫して一人称は「ボク」であり、必ず紫苑のブローチを身につけているらしい。
ちなみに店名からもわかるようにネーミングセンスは欠片もない。
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紫苑の花言葉。
店主もまた、大切なものを遠いところに置き去りにして来てしまったひとり。
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Comment
2commnets
- すー兄
- 藤鴇ゆずり爽やかさがあって、どことなく楽しそうで。 素敵なアスターをありがとうございました。