【声劇台本】あの夏が飽和する。3話
一ノ瀬
【声劇台本】あの夏が飽和する。3話
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続き。
【台本】
まるで鬼ごっこで遊んでいる子供たちのように、僕らははしゃいでバカみたいに笑いあった。
ふと君を見ると、おもむろに鞄からナイフを取りだしていた。
「久しぶりにこんなに笑った。…君が居たからここまで来れたよ。あーあ!楽しかった!」
だから、もういいよ。
そう言いながら笑った君の顔を、僕は一生忘れないだろう。
「もういいよ。もう充分!」
「死ぬのは、私ひとりでいいよ。」
そうして、君は、僕のナイフで首を切った。
まるで何かの映画のワンシーンみたいだ。
白昼夢を見ている気がして。
気づけば僕は鬼に捕まった。
赤く染っている君が目の前で倒れていて。
探しても、探しても、
笑ってた君は、何処にもいなかった。
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