【二人声劇】ありがとうを吐き出す【台本】

「」×『』

「なあ、もっと褒めてくれよ アンタに褒められるとすごくいい気分になるんだ」 『…できない』 「もっと絵を描いてやろうか？ うまい料理作ってやろうか？それとも」 『わたしは見返りがほしくてあなたと一緒にいるんじゃない！』 「それはウソだ」 『どうして』 「だってアンタ、俺のこと好きだろう？」 『…！何言って』 「好きな人になら何されても嬉しいって本に書いてあった、アンタもそうなんだろ？」 『ちがう、ちがうの、 わたしはもっと建設的にあなたと話が』 「けんせつ…？家が欲しいのか？ じゃあ金がたまったらでかい家を買おう」 『そうじゃない…そうじゃないのよ…』 「アンタが俺を好きで、俺を褒めてくれて、 それが俺にとっての幸せだ これの何がおかしいんだ？」 神様を信じる無垢な子供のような彼の中には 【私が好き】という感情がどこにもないのだ 『あなたの気持ちが…どこにもないじゃない…』 「俺？俺はアンタが好きだ。 なんなら、セックスだってできる」 『！』 「なあ、もっと俺を見てくれ。 もっと【ありがとう】をくれよ」 自販機にコインを入れればジュースが出るように この人はただ感謝を吐き出すだけの道具として見ているのだ それに縋っている私もまた 『…どうしようもないわ』 四ノ宮りゐさんの素敵なピアノをお借りしました。 ほんとうにありがとうございます。 ここのところ書いては消し書いては消ししていたものがようやく書けました。 拙くはありますがあたたかくみまもってくださると嬉しいです。 設定はお好きに考えていただいて全く構わないのですが、 「」の人物と『』の人物の気持ちのすれ違いを感じてもらえたらうれしいです。 あと、ストレートな表現があります…もし不快に思われた方いましたら申し訳ありません。 それからいつも通り尺が足りません、すみません…！ ご利用の際はひと言コメントくださると嬉しく思います。 #声劇台本 #2人声劇 #掛け合い #mitagraph #四ノ宮りゐオリジナル