【1人声劇台本】人面瘡
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【1人声劇台本】人面瘡
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ある日、チクっと痛みがさした
ちょうど肘の尖ったあたりに
赤く腫れたそいつと目が合った
日に日に大きくなって
段々俺の顔に似てきやがる
またある日、ついに口を利くようになった
そいつは言った
「行く先見失ったか?淘汰……」
また言った
「お前なんか死ねばいいさ、淘汰……」
ああ、嫌だ
死ぬのは嫌だ
死にたいけれど、死にたくない
怖い
知らない世界は怖いから見たくない
まだ、なにもしてないじゃないか
救えない腐ったこの世の中に
見出してやるんだ、俺の存在価値を
毎夜毎夜
滲んで歪んで痛んで
苦しみが頬を伝っても
そいつは笑う
これから先も、日常のすぐそばで
もしそいつが消えてしまうことがあるのなら
そのときは、俺も消えてしまうのだろう
#声劇
#声劇台本
#朗読
素敵な伴奏をお借りしました
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