映し鏡
朱里
映し鏡
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映し鏡 朱里
静寂が耳を塞ぐ夜道
500円を握って
コンビニへ向かう深夜1時
だら だら 歩く
つけ慣れたライター
響くギター
白い煙で部屋が霞む
アルコールがぐるぐるとまわる
夜空と言う名の渦が
吐いた息を吸い取っていく
そのままかき混ぜられて
魔物に食べられたようだ
もう独りじゃないということ
少しはわかったけれど
口の中に広がる苦さは
この世の映し鏡
「大人になれば
強くなれる」
そんな幼き頃の憧れを
思い出した
そんな日には
何故か いつも タバコを咥えていた
夜空と言う名の底に
転がってる星が眩しい
夜空と言う名の渦が吐いた息を
吸い取っていく
いつか全部消えるかな
知らずに 住みついていた
魔物は あたしの弱さだ
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