【声劇台本】目の前にいるのに

妖( ) 少女( ) 演奏/KyaN

KyaNさんの演奏する きみが呼ぶ名前〜夢のつづき を再度お借りしました。 おんとさんにリクエスト・・・というと おこがましいですが、 以前書いた「みえなくて、そこにいて」 という本の、妖側から見たお話があれば・・・ といったコメントをいただいたので、考えてみました。 主人公の少女が小・中学生の頃の話かなあ？ と思います。 妖は、小学生くらいだった少女が、怖がらずに話しかけるくらいだから、数十センチくらいの小さな妖で、前作で「不思議な生き物」という言い方をしていたので、人の姿では無いのかな？ という気がします。 ・・・が、そこは自由に 想像していただいた方が嬉しいです。 #夏目友人帳 #KyaNぴあの －－－－－－－－－－－－－－－－－－ 「あなたはここにいるのに お話も出来るのに みんなは見えないんだって。 おかしいよね。 何が可笑しいのか、 よく笑う娘だった。 時々ここへ来ては色々な話をした。 …と言っても、彼女が一方的に話すものだから 私は時折、気まぐれに相槌を打った。 それを見て彼女は また嬉しそうに笑った。 「ねえ！どこにいるの！？ 草木を分けて 木のウロを覗いて ああ… 泥だらけでは無いか 私はそんなところには居ない 目の前にいるのに 『あの子、またやってる… 『ねー！妖怪は見つかったー！？ 『やめなよ、 あの子 妖怪しか友達いないんだから。 そうか。 そういう事か。 いっそ私が喰らってやれば 彼女を救ってやる事は出来るだろうか？ 喚(わめ)いている阿呆共を喰らってやれば 彼女は喜ぶだろうか？ もしも私が人間だったなら 彼女の悲しみを 癒す事が出来たかもしれないのに