【声劇台本】夏の雨の日【一人朗読用】
◇ お名前をどうぞ 台本: ももつばき。
【声劇台本】夏の雨の日【一人朗読用】
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夏のじっとりとした雨の日です。
大学生の主人公は傘もささず、大学へ向かいます。
その途中にあった、小さい池に目を落とすと
一匹の鯉がいました。
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アドリブ、台詞変更、ご自由にどうぞ!
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うっすらと目を開けると、空が灰色をしていた。
東の空はもう鈍色(にびいろ)になっていて。
少しずつ雨も降り始めているようだ。
ゆっくりとした動作で立ち上がり、窓を開けると8月の熱気がぼくを包んだ。
蝉は懸命に鳴いている。
窓の下を覗くと、既に水溜りができており、ぼくはそれに目を落とした。
水溜りの脇を人々が小走りで通り過ぎていく。
雨はしとしとと音を立て、水溜りに波紋を広げている。
ぼくはため息をつき、ゆっくりと窓を閉めた。
それから、作業机の上に出ていたものを全て鞄に詰め込んで。
傘ももたず。
でも、部屋の鍵は閉めて、そこを出た。
雨脚は思ったより緩くて。
気温も湿度も高かったから、心地よくはなかった。
けれど、その雨はぼくの中から何かを流していくようで。
何を流すのかは分からないけれど、なんとなく温かくて。
池には鯉がいた。
雨脚が揺らす水面が怖いのか。
鯉は脅えるように池の隅でゆらゆらしている。
なんとなく、人事だと思えなくてぼくは。
ゆっくりと池に手を入れて、その鯉をさすった。
何度も何度も。
何度も何度も背中を撫でた。
鯉は安心したのか。
雨の踊る池を旋廻した。
それを見たぼくは立ち上がり。
ぐっしょりと濡れた両方の袖を捲り上げて。
ズボンの膝に付いた土を払った。
ぼくの手にはきらきらと光る鱗が残っていた。
ぼくはそれを大事にズボンのポケットにしまい込み。
大学へ向かった。
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雨ーあまねー音さまから、サウンドをお借りしました。
素敵なサウンド、ありがとうございました!
雨ーあまねー音さま
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3commnets
- 樹(いつき)/雨-あまね-音(旧ver.愛用中)
- ももつばき。🔰
- 樹(いつき)/雨-あまね-音(旧ver.愛用中)台本のBGMに使って頂きありがとうございます🙇 声が入るのが楽しみですね😃