【声劇・朗読台本】夏の果て
小児科医( )×院長( )×子供( )
【声劇・朗読台本】夏の果て
- 80
- 4
- 0
どうもみなさん、お久しぶりです。
夏休み台本がんばるとか言っといて一本目出すのが9月という。
すーーーいませんでしたぁーーーーっ
夏が過ぎた頃に、夏の台本を出したくなる
今回は珍しく、情景描写がほとんどありません
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「」→とある病院の小児科医
異動してきたばかり
語り手、一人称
地の文はこの人
ーー→病院の院長
この話の案内人的存在
“ ”→語り手が異動してくる以前から入院している子供
しかし、実は…?
それぞれ違うかたに読んで頂いてもいいですし、一人で読んで頂いてもいいです
どちらでも歓迎します。聴きに行きます
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「院長!見てください、中庭に小さな女の子が…」
前を行(ゆ)く背中を慌てて呼び止めると、彼女はあぁ、と言って微(かす)かに笑った。
ーーあの子は、18年の夏から脱け出せないのよ。
ひどく潜(ひそ)めた声で、彼女は言う。
「……18年?」
ーー昭和18年よ。
ーーあの子の、最後の夏。近所の人々の強い希望によって行われた、ささやかな夏祭り。
ーーあの子の時間は、そこで止まっている。
“風ぐるまがほしいの。
おもては臙脂(えんじ)で、うらが朱(あか)。
くるくるまわって、消えてゆく。
きれいね、きれい。
あの日の、もえた空みたい。”
ーー紙屋のおじさんが、風ぐるまの屋台をやったんですって。
“あの風ぐるまに、お願いしたのよ。
今がずっと続きますように、って。”
ーー翌年…つまり昭和19年の初夏、あの子の命はあっけなく散った。
「…え………?」
ーーあら、気付いてなかったの?
言いかけて、寂しげに微笑む。
ーーいいえ、なんでもないわ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一応僕の中でのイメージは、語り手は男性、院長は女性で子供は女の子、となってますが、全て変えてもらって全然構わないです。
※事実上の出来事に基づいてはいますが、このストーリーは完全なるフィクションですのでよろしくお願いします。
#声劇 #朗読 #台本 #声劇台本 #朗読台本
Comment
No Comments Yet.