恋愛サーキュレーション【多声類*両声類】
良い声が出ない面接官:すもも 通りすがりの良い声の受験者:くろえ
恋愛サーキュレーション【多声類*両声類】
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長き戦であった。震える拳を掲げ、私は大声で叫んだ。
「ついに来た!!」と。
コンクリートジャングルに反響するその歓びを、幾度噛み締めたことだろうか。熱い風に気だるく舞うビニール袋ですら、可愛い犬に見えるほどだ。
しかし果たして、それは本当にビニール袋なのだろうか。
「僕はそれがビニール袋かどうか確かめなくちゃいけない。いや、たとえそれがビニール袋であろうとなかろうと、僕は今、確かめなくちゃならないんだ。」
やれやれ、僕は冷えてかたくなったトーストの欠片を口に放り込むと、首にかけていた双眼鏡を覗いた。
確にそれは、そう、結論から言うとビニール袋だった。けど、ビニール袋だからなんだと言うのだ。もしかしたら犬かもしれないのに。ビニール袋が犬でないと、一体どこの誰が決めたのだろうか。
そうこうしていると、隣の女が言った。「ねぇ、あれはビニール袋だったの?」
「さあね」
僕にとって、あれがビニール袋であるかそうでないかは重要じゃない。べつにあれが犬だと断定しても、この世の誰かが困るわけでもなく、隣の女が悲しむわけでもない。この奇妙に絡み合ったロジックを抜け出すのは、カバンの中に無造作に突っ込んでぐしゃぐしゃになったイヤホーンの紐を解くことより難しい。
「答えなんてないんだよ。あれはビニール袋かもしれないし、犬かもしれない。なぜならあれをビニール袋だと言い出せばビニール袋だし、犬だと言い出せば犬だからさ。結局、そういうものなんだ」
僕は双眼鏡と女を放り出して、カタカタと音を鳴らす扇風機の前に居座った。
どうでもいいのだ、そう、どうでもいい。
なぜならここに、夏が来たのだから。
つまりだ、僕が言いたいのはこうだ。「長期戦を終えてテンション上がってハメを外しまくってしまいましたごめんなさい」
Comment
5commnets
- くろえわ、やった〜!!所々大分汚かったですが!! こちらこそ楽しんでいただけてとても嬉しいです、ありがとうございます🎉
- くろえ
- くろえ
- す も も 🍑コラボありがとうございました!! って、キャプションの内容がが全然違くてwww 結論がwww どの声も可愛くって、素敵なコラボありがとうございました!!!笑
- れんたろ可愛い!