雨に溶ける(bgmにどうぞ)
チャイ
雨に溶ける(bgmにどうぞ)
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第12話
クラリス母「ゲホッゲホッ……」
クラリス「母さん、無理してはダメよ……」
クラリス母「ごめんなさいね、何だか今日の夕暮れは一段と赤く見えたものだから……」
クラリス「……母さん、私薬草を摘んで来るね」
クラリス母「えぇ、気を付けてね」
クラリス「……ゲホッゲホッ、何この匂い……風に乗って煙が……煙?……街が…………燃えている。」
アレン「ミカエラ……」
ミカエラ「アレン、なの?」
アレン「あぁ。」
ミカエラ「この火事、もしかして……」
アレン「僕の主の命だよ。エルフェゴートを焼き払えって……」
ミカエラ「そう……。ねぇ、アレン。私、貴方に謝らないと。実はね、大臣から命を受けて、わざとカイル様のお目に留まるようにしてたのよ。ルシフェニアとマーロンの婚約は、エルフェゴートにとって都合が悪かったみたいで、それを破談にさせるのが私の仕事。」
アレン「……そんな。」
ミカエラ「ごめんなさい。ガッカリしたでしょ?でもね、貴方には申し訳ないと思う気持ち半分、凄く感謝してるのよ。私、初めて人を好きになったの。貴方の誠実さ、優しさ。その繊細さに心が惹かれたわ。貴方の事、本当に愛してた……私に、恋を教えてくれてありがとう」
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