【二人声劇】 雪辱を濯げ
■普仁(ふひと):あなたの名前 □辱(はじ):綾音
【二人声劇】 雪辱を濯げ
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コラボ用です!良ければコラボお願いします!
普仁の最初の語りは早口の方がいいと思います💦
■
雪が降っている
大きく柔らかな雪が
白い三つ鳥居
越えればそこはハジの宮
金剛石の玉砂利
素足で歩けば切られそうな
そんな緊張感がある
自然と歩みは慎重になっていく
ご眷属は、ニッポンオオカミ
キツネやタヌキ、ネコにトリ
ヘビやヤモリ、チョウまでいる
皆一様に色は白く眸が青かった
お仮屋を過ぎ奥宮へと進む
雪は止みそうにない
ハジは居た
悠然と自然と景色の一部のように
それは居た
年の頃なら十三、四
性別は判別つかない
体躯はなんとも華奢なもので
彼もまた頭から足の爪先に至るまで真っ白だ
った
白地に銀の小舟が刺繍された着物がとてもよ
く似合っていた
唯一の色は青い眸
光の加減で濃度が変わる
あれが美しかった
□
「はじめまして、ぼくははじさらしの辱」
■
『はじさらし?』
□
「ああ、まわりからはそう呼ばれてる」
■
さらさらとした涼しげな声
さも当然だと言わんばかりに辱は答えた
□
「ここは現世(うつしよ)と隠世(かくりよ)
の丁度真ん中。
迫間(はざま)という、ぼくの領域」
「ここでは哀しみばかりを繰り返す…」
「そして繰り返した分だけ雪が降る…」
「きみの哀しみもその内降るよ」
「うんざりするほどね…」
「雪が降らなくなったら、左様ならだ」
「それまではゆっくりしていくといい」
「さて、説明は以上になるけど」
「ねぇ、きみ」
「きみの好きな歌をひとつ、ぼくに教えてく
れないか?」
#声劇 #朗読 #黒金剛の台本 #コラボ募集
Comment
1commnets
- 綾音★いえいえ! 時間調整のため、少々台本をカットしてしまいました💦 一応違和感なくしたのですが… 喜んでいただけたならとても嬉しいです(*^^*) こちらこそ、素敵な台本をありがとうございますm(*_ _)m