【1人用台本】 神代に聞かぬ男花魁
語り部【Loco】
【1人用台本】 神代に聞かぬ男花魁
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※これは男花魁の一人語りではありんせん※
廓言葉って良いですよね。
好きです。
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語り部・・・
いつの御代(みよ)だったか、
吉原に、一夜でその名を響かせた花魁(おいらん)がいた
その名を「華頂庵(かちょうあん)の蓮(れん)」という
気立て(きだて)よく、芸事(げいじ)に優れ、床上手(とこじょうず)
吉原随一(ずいいつ)と言われたその顔ばせ(かんばせ)は、
肌は胡粉(ごふん)ように白く、髪は夜半(やわ)の月のいろ、
左の瞳は篝火(かがりび)のようと謳われた(うたわれた)
ある時、噂を聞きつけた将軍様が、
姿を忍ばせ、御渡り(おわたり)になった
見世(みせ)は吃驚仰天(びっくりぎょうてん)、
忘八(ぼうはち)、慌てて花魁に話した
しかし、花魁ときたら、
先に来ていた商人に酌をするばかりで
「先にいらしったこのお大尽(だいじん)、無碍(むげ)にするわけにはいきんせん」
今度は将軍、金子(きんす)を高く積み上げた
しかし、花魁ときたら、
「遊女は金子で買えたとて、わっちの心は変えんせん」
今度は将軍、御冠(おかんむり)で
花魁のいる座敷に乗り込んだ
「無礼(ぶれい)な奴め、何故(なにゆえ)、余(よ)を袖(そで)にする
余が将軍と知っての所業(しょぎょう)であるか」
花魁、震える商人を後ろに庇い、
沙羅(しゃら)と笑ってこう言った
「床(とこ)の上では位(くらい)など、何の意味もありんせん」
これを聞いた将軍様は、
花魁の意気地(いくじ)をたいそう気に入り、
その楼(ろう)を贔屓(ひいき)にしたそうな
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