声劇台本『いつものように』
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声劇台本『いつものように』
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(あー……めんどくさ…しんど)
沈む。沈む。沈んでゆく。
海より暗く、夜よりも深い場所。
心がみるみる淀んでゆく。
「これ、前やってましたよね?先輩にしか頼めないんです!」
とか
「お前ならきっとできるよ、信頼してる」
(…じゃねぇよざけんなまじで。)
心の中は真っ黒で、出したい言葉は尖った刃物。
(信頼とかじゃねぇんだよなぁ、それ。こっちからしたら、そりゃ『妥協』っつうんだよクソが……)
吐き出したいのに、投げ出したいのに、やらない。
怖いから。褒められたいから。
(……どっちも嫌いだわぁ…。頼ってくる奴らも、受ける俺も)
こんな生活いつまで続くのだろうか。
いっそのこと、全て切ることが出来ればどんなに楽だろうか。
だけど
「先輩に頼んで良かった……ありがとうございます!」
「流石だな…お前ならできると思ってた!」
感謝の言葉は、嬉しい。
(単純だなぁ……俺も。)
分かってる。
分かりきってるんだ。
何が欲しいか、なんて。
だから、続けるんだ。
「さーって、今日もやりますか」
いつもの毎日を、いつものように、始めていくんだ。
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この台本、下から読むか、上から読むか。
#声劇台本
#一人用
#メリーバッドエンド
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