【朗読台本】いきとし、いとし

演者様のお名前

絡め取られて 攫われてしまったのだ 深くて甘い 夢の奥底へと ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ 心は夢を見ている 微睡むように ゆったりと動けなくなる 甘くむせかえる藤の香り くゆる薄紫 指先からじわじわと痺れてゆく 莢を裂いて 種を食んで 毒の回るを 夢のように眺めている 心は夢を見ている そう傍観している ふらりはらり、ちるちると 融けるように 重なり 連なる花弁 睫毛にぱさぱさと 金の粉が被っているのに気付いて なるほど 先程から 視界を暈すのはこの花粉であろうかと そこでようやく 自分を惑わすものの正体を知るのだ するり しろい腕が 頬を、目元を、撫でた 髪を梳くって 噎せるような甘さを擦り付ける ｢夢のせいにして 攫われてみてはくれまいか｣ そうして、くしゃり さりり と 藤の花が煙のように 私の身体ごと 夢で覆ってしまった ……………………………………………… いきとし、いとし それは 息と詩、意図し？生と死、愛し？ 生きとし、いと紫……うーん！ はい、Twitterより頂いた色のお題は そら様、ゆう様より 合わせて ｢薄紫、端色｣でした。 薄いけれどどこまでも深い色 紫色って独特ですよね。わたしとても好き。 今になっての投稿ですが、 書き始めたのは確か5月でしたから 連想したのは 藤の花と 紫煙 でした。 紫色って 上品な色とも変態色とも 言われますから、両方取り入れたかったんです(？) 上品でどこか秘密めいた…うーんわたしには まだ早かった気がする……！！笑 久しぶりの朗読台本、 古風で掴みどころがない を理想に。 そんなわたしなりの？わたしらしさを？ 存分に意識して 好き放題に書きました、笑 その音を ぜひ声にしてください。 解釈や雰囲気は 演者様のお好きなように。 #卯木の台本 #朗読