声劇「No title」6
台本 るん太
声劇「No title」6
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声劇シリーズものの第6弾
感情を全て失くしたようです。
感情を失くしたような話し方をしたつもりなので、このシリーズの他のとくらべてみてください。
これが、最後の診察になります。
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先生、胸にぽっかり穴が空いたようです。
いえ、実際には空いていないんですけど。
虚無ってこういうことを言うのでしょうか。
もう、悲しくありません。
寂しいとも思いません。
辛くもないし、もちろん、幸せでもないです。
感情を失くすってこういうことなんですね。
何にも感じない。
もうずっと昔から、言ってしまえば産まれたときから、こうだった気がします。
いや、解ってはいるんですよ。
僕は病気にかかって、徐々に色んなものを失っていったってことは理解してます。
でも僕はもう何かを失くしたなんて思ってないんですよ。
実際にそこに存在しないものを失っても、存在したことすら忘れてしまうんです。
無かったことと同じなんです。
幸せも辛いも楽しいも悲しいも痛いも苦しいも寂しいも好きも嫌いも、全部。
その感情の名前は知っているけれど、僕からしたら全て無です。
そんなものは存在しない。
ねぇ先生、結局僕は何を失ったんですか?
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素敵なBGMをお借りしました。
アドリブ、改変などご自由にどうぞ。
るん太
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