失くした夜と残ったおかず
青年「コラボ者様」 父『コラボ者様』
失くした夜と残ったおかず
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母とはあまり話さなかった
遅くまで働いていた母にご飯を作る
ただそれだけの関係だった
「」、モノローグ 青年
『』 父
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母の死に何かを思うことは無かった
ただ……もうご飯は作らなくていいのだと
そう思った
(階段を上がりドアを開ける)
「ただいま」
(ドアが閉まる)
(煮える音、火を止める)
「……作りすぎた」
(テレビの笑い声)
「つまんないな……」
(インターホン、ドアを開ける)
「はい……何しに来たの」
『話を、させてくれないか』
(グラスに水を注ぐ)
『母さん……死んだんだってな』
「うん、先月ね
それで……何のようなの」
『……一緒に暮らさないか』
(氷の音)
(扉が開く)
『さっきの話、考えておいてくれ』
「……うん」
(扉が閉まる)
「ねぇ……母さん
俺、どうすればいいのかな……」
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あとがき
失くしたものの実感は、日常だったものがその存在をなくした時に感じるのだと思います
果たして彼はどう思ったのでしょう
設定
あまり裕福ではない母子家庭
夫は数年前に家を出てそれきり連絡はない
母は寝る間を惜しんで働き、なけなしの給料を息子の学費に当てる
しかし、若くはないその体への負担は大きく過労で亡くなってしまう
青年
親子であまり話すことは無かったが、夜遅くに帰ってくる母にいつも食事を作っていた
父
数年前に家を出ていった
ある日、別れた妻が亡くなったことを知り、1人きりになった息子のもとを尋ねる
お借りしたSE
効果音ラボ様
https://soundeffect-lab.info/
『鍵を開ける2』、『学校の廊下を歩く』、
『ドアを開ける1』、『ドアを閉める2』、
『ぐつぐつ煮る』、『ガスコンロの火を止める』、
『フローリングの上を歩く2』、『茶碗を置く』、
『みんなで大笑い2』、『ドアチャイム2』、
『グラスを置く』、『グラスに水を注ぐ』、
『氷の入ったグラス』、『アブラゼミの鳴き声2』、
『ヒグラシの鳴き声』、『鍵をカチャカチャ』、
『ツクツクボウシの鳴き声』
#二人声劇 #掛け合い #声劇 #大塩台本
Comment
13commnets
- まーさんコラボでお借りしました〜
- きょーかなお借りしました!
- 九星 一七帆( くぼし いなほ )🦊お借りしましたm(_ _)m
- ごりぞう瀬良さんとのコラボでお借りしました。
- 瀬良お借りしました!台詞はあまりないけど環境音なども含め生活から何かがかけたことが分かって素晴らしいなと思いました。素敵な台本をありがとうございました!
- ぺけお借りしました!
- てけてけてーお借りします
- Cお借りしました。 本当に素敵でした……
- 血なますみません。お借りしていました!
- 大塩範二
- しる@@@すみません…!遅れましたが、台本を読ませていただきました!ありがとうございました!
- 羽瀬川こなんしるさんのサウンドから来ました。 感想を述べさせてください。 90秒過ぎて、一息つき、本当に素晴らしい台本に出会ったと思いました。 最初の青年のセリフ「もうご飯は作らなくていいのだと思った」と言っているのに、おかずを作りすぎてしまったというシーンで感動しました。効果音も相まってリアリティがあり、セリフだけが独り歩きせず、彼の"母がいた"という当たり前の時間が"母がいなくなった今"でも続いていて、寂しさをも覚えました。作りすぎてしまったのは、心のどこかで母がいなくなってしまったことを否定してしまっているのでは...なんて考えもしました。 そこから更に青年と父の会話劇もとい物語があって、鋭い刃で刺すような衝撃を覚えました、それが苦しみとも悲しみとも思えず、無に帰す主人公の心の痛みがドクドクと感じました。最後のセリフはきっと、心では泣いているのだろう、でも受け止めてくれる人は誰もいなくてきっと涙を失くした夜なんだとふと思いました。 素敵な台本に出会えました。何度でも聞いてしまいます。 nanaの方で拡散させてください(^_^) フォローさせていただきます。 長文失礼致しました...。
- イッテツお借りしましたん!