一部分
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一部分
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あくまでこんなの書きますよーってやつです。
見にくかったらごめんなさい
入学式から一カ月が経った、あの先輩はたまに廊下で見かけるくらいだ。
「いのちゃん、何してるの?」
驚いた、いきなり話しかけてきたのはあの先輩。
「あ、えっと、先生の手伝いです。国語の科目室って何処ですか?」
「じゃあ連れてってあげる、貸して? 半分持ってあげる」
意外と優しいんだな。
「ねぇねぇ、俺いのちゃんの事もっと知りたいんだけど、教えて。」
俺の事が知りたい? なんの得があるのかわからない。
「いのちゃん? どうしたの、もしかして教えたくない? ごめんね」
心配そうにのぞき込まれる、俺が答えなかったからだ、困った顔までかっこいい。
「すみません。考え事してました、別に教えてもいいですよ。」
「考え事?」
「はい、俺の事なんか知って先輩になんの得があるのかと」
「得? 面白い事考えるねぇいのちゃんは。俺はいのちゃんが好きだから知りたいの、それじゃダメ?」
「はぁ、ダメじゃないですけど」
「ほんと? じゃあ教えて?」
やっぱり変な人、話したのも二度目なのに面白いとか好きだとか。教えると言っただけで嬉しそうな顔をする、先輩の印象は変な人から不思議な人に変わった。そうこうしているうちに科目室について用事を終わらせた。
「一緒に帰らない?」
そんなことを言われた、だが俺は寮のため学校から五分程度で着いてしまう。一緒にと言うほど行けない。
「俺、寮なんであんまり行けないですよ?」
「いーよぉ、俺も寮だし行こ?」
どうやら先輩も寮らしい、寮では見かけなかったため自宅に住んでいるのかと思っていた。考えているうちにいつの間にか寮に着いていた、エレベーターに乗る。学校の寮は大きくてマンションのようだ、エレベーターまでついている。ちなみに俺は十二階だ。
「何階?」
「十二階です」
先輩が十二階を押す。沈黙が続く、少し気まずい、チンと音がして十二階に着いた。
「じゃあねぇ!」
先輩が手を振ってくれた、なんだか可愛いと思ってしまった。自然と手を振り返していて、先輩は笑顔だった。
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