「天気になあれ!」(台本)
sasa
「天気になあれ!」(台本)
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「天気になあれ!」 第一話脚本
智也のM(モノローグ)「よく晴れた朝。桜は満開だ。今日は中学校の入学式。ブカブカの制服を着て僕は家を出た」
結衣「智也。はやく行くよ!」
智也のM「そう声を掛けてきたのは松原結衣。小学校の時ずっとクラスが同じ腐れ縁のお隣さんだ」
結衣「智也? 遅いぞ? 寝不足? 緊張してるとか?」
智也「なんか違和感だらけでさ」
結衣「え? 何が?」
智也「制服だよ。制服!」
結衣「あっ! ホントだ。超ブカブカじゃん!」
智也「袖とか、いくらなんでも長すぎるだろ。サイズ合ってないっていうか……」
結衣「男子は背伸びるから別にいいんじゃないの?」
智也「背のことは言うな!」
結衣「気にしすぎ」
智也「ずっと並ぶ時、一番前にいないといけない苦しみは巨人のお前にわからないんだよ」
結衣「ひどーい。女子で160センチは目立つんだから。モデル体型って言って!」
智也「ああ。その何センチか俺に分けてくれよ。せめて春休みであと10センチ……150台にはなりたかったのに……」
結衣「そんなことよりもっと心配することあるんじゃない?」
智也「他に心配することなんてない」
結衣「どんなクラスだろうなーとか、どんな子いるかなーとか、友達出来るかなーとかさあ」
智也「結衣、まさか緊張してるのか?」
結衣「緊張なんてしてません。ただ、新しい世界の始まりだなって。そう思ったの!」
智也のM「結衣に言われて、僕は気づいた。僕が全く緊張しないでいられるのは、もしかしたら隣に結衣がいてくれるおかげなのかもしれない。それが恋の予感だったなんて。この時の僕は知る由もなかった」
(おわり)
※すこしスピードをつけて話していただけるとよいかと思われます。
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