初恋の雨。
チャイ
初恋の雨。
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#森林檎。の台本 #チャイ #初恋
貴方には初恋がありますか?
私の初恋は6つ離れた姉の習い事仲間の男性でした。
とても、とても小さい頃の記憶。
それを基につくってみました。
気に入っていただけたら幸いです。
アドリブ、一人称を変えるなどはご自由にお願いします。
どうか彼らに命を。
*
私は窓から外を眺める。
外は雨がサーサーと降っている。
それが心地よいリズムになって私の体に響く。
あぁ、あの時もこんな雨だったな、
君と出会ったのは雨の日だった。
君が一生懸命声を出して頑張る姿に私は憧れた。
私もあんな風になりたい。
私も、私も、あんな風に……!
そんな想いが私を突き動かす。
幼いながらに考えて君に好いてもらえるように努力した。
髪型を変えてみたり、
誕生日に想いを込めたプレゼントを渡してみたり
君への想いを遠回しに伝えてみたり。
結局、君は気付かなくてちょっと悲しかったな。
それでも君の頑張る姿はカッコよくて、君の顔から落ちる雫はキラキラと輝いていた。
時間が経つにつれ、お互いが忙しくなったりして君とは会えなくなった。
君はいつも私に「ありがとう。」と言ってくれていた。
また明日、と明日も会える約束をしていたはずなのにもう君とは会うことはない。
小さい頃の私はそれを理解出来なかった。したくなかった。
それでも会えないことに変わりはない。
雨が降るとたまに君を思い出す。
多分、今でも私は君を好いている。
でもそれは恋愛の対象としてではなく、憧れの対象としてだ。
また、会いたいな。
雨はまだ降っている。
私の初恋もこの雨に溶けてしまったのかな。
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