声劇「No title」7

台本 るん太

先生、今までありがとうございました。 ーーーーーーーーーーーーー 辞書を引くと「感情とは、ヒトなどの動物がものごとやヒトなどに対して抱く気持ちのこと」とあります。 良い感情としては、幸福、優越感、快感、愛しさ、希望など、逆の悪い感情としては、怒りや苦しみ、悲しみ、恐怖、殺意、嫌悪、絶望などが上げられます。 感情には細かく名前が付けられているんです。 それはつまり、ヒトはそれほど多くの気持ちを感じながら生きているということです。 そして、感情に縛られながら生きている。 アンドロイド症候群は難病です。 決して事例の少ない病気ではありませんが、今現在治療法は見つかっておりません。 それは、発症した人はみな、進行してしまうと治したいと思わなくなるからです。 つまり、感情が失くても生きていけるということです。 感情があるように装うことはいくらでもできますから。 悲しいことなのかもしれませんが、それが事実。 さぁ、今までお疲れ様でした。 もう来なくていいですよ。 治ってはいませんが、必要ないでしょう。 あぁ、私も何も感じていませんよ。 アンドロイド症候群、事例の少ない病気ではないと言ったでしょう？ ーーーーーーーーーーーーー 素敵なBGMをお借りしました。 アドリブ、改変などご自由にどうぞ。 ありがとうございました、「No title」完結いたしました。 最後は先生sideで少し奇妙に終わらせると決めておりました。 世にも奇妙な物語のような話を意識して作った台本です。 思うように書けてよかったです。 1番悩んだのは1番最初に失う感情を、悲しみにするか幸福にするか、というところ。 ひとつひとつ感情を失う話も書きたかったのですが、膨大な量になってしまうのでやめました。 なので、最初と最後だけ。 ただ、シリーズものは書き始めは楽しいのですが、その間他の台本を書けなくなるのが辛いです…。 しばらくはシリーズものは控えて単品台本を書きたいと思ってます。 これからもよろしくお願いします！ るん太 #声劇 #一人声劇 #朗読 #台本 #るん太の台本 #シリアス #切ない #泣ける台本