視界が暗転した。
次にわたしの目に飛び込んで来たのは、蒼穹だった。
旗…だと思う。大きな旗だ。よく見ると、「誠」と書いてあった。
旗の向こうに視線をやれば、そこには懐かしい皆の顔があった。
ああそうか、ここにいるのは「誠」に関係する彼らなのか。
…待て、何故「懐かしい」と思った?
だって彼らは、まだわたしと一緒に────彼らは、わたしと兼定と清光(あのこたち)の大切な────
…いや、きっと気のせいだろう。
溢れかけた涙を拭って皆の名前を呼ぶと、彼らはわたしの方を振り向き、笑顔で口々にわたしの名前を呼んでくれた。
ああ、やっぱりさっきのは気のせいだ。そうに違いない。
けれど希望はすぐに失せた。
彼らが突然わたしの目の前から姿を消した。文字通り、姿を消したのだ。
呆然と辺りを見渡すと、先程までは視認できなかった兼定と清光の姿があった。けれど、二人の顔にはいつもの元気さなどまったくない様子だった。
清光はその場に座り込んで項垂れていて、兼定はただその場に立ち尽くしていた。二人とも、悲しそうな顔をしていた。
わたしも悲しかった。
また、置いていかれてしまった────
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