【声劇台本】カミサマの“ソンザイ”
台本*輝卯 読み手*素敵なあなたのお名前
【声劇台本】カミサマの“ソンザイ”
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☆はナレーターです
【少女】「私ね、カミサマがどんなのか知ってるよ」
☆少女はそう言って紙にインクを染み込ませた。
透明で黒く、そして重たく長い髪は彼女の顔の邪魔をする。
【少女】「はいっ」
☆細く繊細(せんさい)な指先で不安定に支えられた
スケッチブックが僕の前に差し出された。
そこには、手で顔を覆(おお)い隠し指先から
真っ暗な目を覗かせる人間のようなものがいた。
【少女】「カミサマはね、無力なんだよ。でも、見てるの。ずっとずっと。」
☆本質を打ち抜かれたような突飛(とっぴ)な言葉が
僕の右脳(うのう)を抉(えぐ)った。
【僕】「どこで教わったの?」
【少女】「内緒」
☆彼女はそう言いながら口角(こうかく)を少し上げる。
彼女には僕の心がすべて透けて見えているみたいで、少し怖かった。
あの真っ暗な目には僕がどんなふうに写っているのだろう。
僕はそのことすら悟られないように、静かに息をする。
【少女】「ふふっ、大丈夫だよ」
☆ああ、そうか。
生ぬるい風が、彼女の髪を引っ張ることはもうなかった。
「読まれる際はコメントと拍手をお願いします。」←聞きに行きたいので
#二人声劇 #一人声劇 #声劇台本
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