芝浜3
落語、改変: Sken
芝浜3
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切りどころが難しい!
ちなみに、台本のどこまでを一括りにするかは、ノープランでお届けしております
#落語
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【台本の範囲】
おぉ、寒い。まだはぇーじゃねぇか。あいつはいつもせっかちだな。浜でも見てちょっと一服するか、いや、キレイだな。この潮の香りが好きでここに住もうってあいつと決めたんだっけな。俺の家もあいつの家もこの湾のずっと向こうか。あいつは俺について来て幸せなんかなぁ。何しとんのかなぁ、俺は、白い砂浜に永久に続く海、往来の船、この景色は続いていくが、住む人も保つ人も変わっている。いつか俺もあいつにほとほと愛想が尽きられるやもしれん。そしたら、俺には何が残るだろうかな。
おっ、なんだ、あれは財布か、よっとうん、これは。
いやはや、ただいま。
「どうしたんだい、あんた。やけに早いじゃないか。仕事はどうだったんだい、何買って来てんのさ、そんなにお金渡してないだろうに、あれ、それも酒屋の旦那に、魚屋の旦那、、あれあれ何人お連れになって」
いや、おめぇ、これを見てくれよ
「なんだぃ、この汚い財布」
こん中にこんなにお金が入ってんのさ
「あんた」
まあ、ちょっとみんなで祝い酒やるから、どいててくれよ。ほら、みんな上がんな、いつもキレイにだけはしてんだ、キレイ好きなやつでさ。
「あんた、起きてくれよ」
なんだい、おめぇ。
「あんた、今日からちゃんと働くと言っていただろう。」
いや、もうあんなにお金持ってんだ、当分働かなねぇで、大丈夫だ。おめぇも運が良いな。
「何、馬鹿なこと言ってんだい。お金なんかいつあったんだい。ずっとうちはこの長屋だろう」
いや、ほら財布だよ、財布、お金たくさん入った
「何、馬鹿なこと言ってんだい。そんなものないよ。情け無い、あまりに貧しいからってお金を拾う夢を見たのかい」
あれ、本当か
「本当だよ。嘘でもついてると思うのかい」
いや、それはねぇ。おめぇはそういうこと言わねぇ。いや、浜でよ、おめぇを幸せにできんのかなと思って、それから財布見つけて浮かれちまって、これで楽させてやれると思ってよ。
いや、情けねぇ。お金は拾うものじゃねぇな、稼ぐものだ。俺は仕事行くよ。夢ばかりみてちゃいけねぇや。酒ももう飲まねぇ。
俺は自制して、おめぇとちゃんと結婚して幸せにする、悪かった。
「そうかい、長くその気持ちが続いてくれると嬉しいよ」
三年後となりまして、元々仕事のできた男だったので、立派な家も建てて、順調なことを祝おうと大晦日、結婚の挨拶も済ませて家に帰って来た夜でした。
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