【声劇台本】ノスタルジア【早口滑舌】

語り手【わしこ】

私の限界は恐らくここだろう。まだ納得いかない部分は多々あるし、全体的に急ぎすぎたとも思うが、これ以上のものが私の口から生み出される可能性は極めて少ない。これでも言えた方なのだ。さらっと緑竜をりょくおうと言ってしまっている…一体いつからりょくおうにすり替わったんだろうか…(無意識) 1時間強の間何度も録り直していたので息切れと若干の疲れがちらちらしてますが気にしないでくださいませ。 茜さすカタストロフィーの片隅で シュヴァルツヴァルトに沈む捨象(しゃしょう) 立ち行かぬ焦燥　暗所に保管されたままの写真 外界から遮断した1995年3月のこと 空飛ぶ旅客機から落とした 魔術師が手術した人間の塊が 地に落ち血飛沫がカラスの目を潰した 慰めの雨が魔術師の庭を枯らす 86888人が高架橋から絶唱(ぜっしょう)した鎮魂歌(ちんこんか) 歌を携えた綿毛が迷妄少年が愛した緑竜の片翼(かたよく)を撫でた 少年は死骸の側で4日間嗚咽を散らすと竜を弔い鱗を剥いだ 致死量の毒を飲まされ衰弱した7歳の少女の喉に鱗で煮た湯を注ぐ 3日3晩の修羅のあと少女は笑った 月が連れてきた夜風に乗って聞こえた琴の音は 緑竜の鳴き声によく似ていた 愛を謳えば嘲笑われるだろうか 悲哀を演じたピエロ 萎縮した酒宴場 潰乱(かいらん)した街駆ける馬車 黒鍵(こっけん)の欠けたピアノで弾く哀歌(エレジー) 焼却炉の隅で腹を捌く少尉 伽藍堂(がらんどう)の朝 滴る水に反射するシュレディンガーの猫 灰から聞こえた産声に神が耳を傾けるなら 早くしてくれないか 幼子の吐息を虚(きょ)し涙を断ったあの日から 恒久的な幸福を望んだあの日から どうにもこうにも眠れないんだ 5つの光揃わばアストロノーツに伝えよう 地球は第四次大戦(だいよじたいせん)を脱却した 空も地も何者にも染まらぬ そちらからの情景は如何だろうか #声劇台本 #声劇 #一人声劇 #芭那の台本 どストライクで素敵な台本お借りしました。