【声劇台本】波打ち際は越えられない
伴奏【四ノ宮りゐ】 台本【ふたば】 麗香【】 花邑【】
【声劇台本】波打ち際は越えられない
- 63
- 4
- 1
お手軽な翼と捨てれない革靴の話
○麗香/レイカ
●花邑/ハナムラ
----------------------------------------
○「何してるの?はやくこっちに来なさいよ!」
●白い砂浜に青い空。
浅瀬の波に足をかけたあたりで振り返ると、
君はいつもと変わらない透き通った声でそう告げた。
○「はやくこっちにおいでよ」
●「お嬢様、お待ちください!
そのようなところに登られては危険です」
○「ここが、わたしの特等席なの!」
●「お嬢様、あれほど無断で屋敷を離れるなと……」
○「何を言いだすかと思えば、そんなの平気よ」
●「何を根拠にそんなことを」
○「だって絶対、花邑が迎えに来てくれるもの」
●記憶の中の彼女はいつも笑っていた。
どんな壁もふわりと飛び越えてしまう。今みたいに、裸足のままで、身軽のままで。
●「敵わないな」
●あいかわらず重い革靴を身につけたまま砂浜を進む。砂に足を取られる感覚が、煩わしい。
○「怯えて立ちすくむなんて、
いつでもできるわ。わたしは知りたいの。
今しか超えれない壁を。その先の景色を!」
●彼女は力強くそう言ってまた笑った。
僕の靴には砂埃が纏わり付いている。
#声劇 #声劇台本 #香りの立つような恋5題
#5letter
#四ノ宮りゐオリジナル
Comment
1commnets
- TEARお借りしましたー!