【一人声劇】二枚のコイン
演者[]台本[かや]BGM[狐のリサ]
【一人声劇】二枚のコイン
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#klavi_Werkstatt #声劇 #台本 #朗読 #雰囲気 #雰囲気台本
厨二病というか、こういう雰囲気よりなものしか綴れない人間です。
解釈も世界も演じる方に全てお任せしたいなと。
いろんなお芝居を聞けたら幸いです。
語り手を人間として考えるか、性別ありで考えるかもお任せします。
大幅なアドリブ改変以外でしたらご自由にどうぞ。
◇◆◇◆
目を閉じて、暗転した先に降りていったのは小さなコインと、青の光だった。
一瞬は永遠で、永遠は一秒たりとも訪れない場所で、ぼくは確かに見ていた。
小さな微生物が、巨大なクジラにパクパクと食べられていく。
気泡が空に向かって黒の点になり、いくつもの鈍色の光を放つ。
巨大なネズミは大きな口を開け、ぼくの眼を齧ろうと試みる。
食べられてしまってもと考えていたら、その真下から砂埃をあげ、モグラのようなヒレを持った何かがネズミを食らっていった。
食物連鎖が崩れているわけでもない、ただ、理はぼくの眼に一貫しているらしい。
そういえば、ここに来る前ぼくは目の検査をしていたんだっけ。
確かその後…
ぐるぐると、ネオンの鳥が耳元を舞う。像の群れが並列を成して祠に向かっていく。
どうやら聴覚は失っていないらしい。なら、もう一度と空を見上げた。
そっと目を開けると、銀色のまばゆい空がぼくを飲み込んだ。
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