声劇台本 連作 指切り ～強く。～

くろくまの台本

連作二作目です。相変わらず拙いですが、演じてあげてください。初めての一人用台本です。 コメントは無理のない範囲で。 言葉が見つからなかったら拍手だけでも飛べます。諸々ご自由にどうぞ。 指切りをした。泣きながら。強くなるから見ていてねと。 相手にしてみれば、他愛のない子どもの約束だったのだろう。 けれど、僕にとってそれは、紛れもなく誓いだった。 「この度は、本当に申し訳ありませんでした！！」 今日も今日とて頭を下げて回る毎日だ。理想は現実から遠くかけ離れていて、けれど胸の中で絶えず暴れては僕を責め苛む。 こんなものかと。悔しくはないのかと。 恥は、ないのかと。 僕はそんな声を押さえ込んで仕事をこなす。 「お疲れさまです。では、自分はこれで」 「ただいまー。おっとっと！ん？あぁ。今日もパパは強かったぞ～？……おいおいママ、笑わないでくれよぅ」 けれど。理想には悪いが、僕はそんな現実を愛してやまない。 そんな僕は、明日も強くあろうと、そう思う。